
JLPT N1レベルで登場する「もの」は、単なる「物」ではなく、さまざまな慣用表現の一部として使われます。特に「~ものともせず」という表現は、日本の日常会話やビジネスの場面でもよく使われ、意味を正確に理解することが重要です。ベトナム人やインドネシア人学習者が混同しやすい類似表現との違いを中心に解説します。
問題
ふじゆうな からだを _ ともせず、かれは ちょうせんした。
問題:「ふじゆうな からだを _ ともせず、かれは ちょうせんした。」この空欄に入る語句はどれか?この問題は言語感覚の養成と語彙のニュアンス理解が鍵となります。
- こと
- わけ
- もの
- ところ
正解
正解は「3. もの」。読みは「もの」。漢字は「物」。ここでは「~ものともせず」の形で「困難や障害をものともしない」、つまり「不自由な体をものともせず」とは「体の不自由さを問題にしないで挑戦した」という意味です。
なぜこの答え?
「もの」は「物」の意味だけでなく、ここでは「~ものともせず」という慣用句の一部です。この表現は「障害・困難をものともしない」、「気にしない」ことを示します。似た形の「こと」や「わけ」は「事柄」「理由」を表しますが、ここでのニュアンスには合いません。「ところ」も「場所」「時間」を意味するため不適切です。ベトナム人学習者は「こと」「わけ」と混同しやすいので、文脈で使い分ける練習が必要です。
他の選択肢が違う理由
- 1. こと(こと)「事」意味:事柄や出来事。例文:日本で働くことは楽しいです。(にほんではたらくことはたのしいです。)「日本で働くことは楽しいです。」
- 2. わけ(わけ)「訳」意味:理由、原因。例文:今は忙しいわけです。(いまはいそがしいわけです。)「今は忙しいわけです。」
- 4. ところ(ところ)「所」意味:場所、時点。例文:これから食べるところです。(これからたべるところです。)「これから食べるところです。」
例文
- 彼は病気というものともせず、仕事に行った。
(かれはびょうきというものともせず、しごとにいった。)
病気を気にせずに仕事に行った。 - ふじゆうな体をものともせず、かれは毎日練習する。
(ふじゆうなからだをものともせず、かれはまいにちれんしゅうする。)
不自由な体を気にせずに毎日練習する。 - 彼女は失敗をものともせず、再挑戦した。
(かのじょはしっぱいをものともせず、さいちょうせんした。)
失敗を恐れず再挑戦した。 - この仕事の困難をものともせず、チームで完成させた。
(このしごとのこんなんをものともせず、チームでかんせいさせた。)
困難に負けずチームで完成させた。
会話例
A:彼は体が不自由なのに、よく働くね。
(かれはからだがふじゆうなのに、よくはたらくね。)
彼は不自由な体なのに一生懸命働いているね。
B:そうだね。ふじゆうな体をものともせず、頑張っているよ。
(そうだね。ふじゆうなからだをものともせず、がんばっているよ。)
そう、不自由さを気にせずに努力しているよ。
A:すごいね。私も見習いたいな。
(すごいね。わたしもみならいたいな。)
本当にすごい。私も彼のようになりたい。
B:あきらめない心が大切だよ。
(あきらめないこころがたいせつだよ。)
諦めない気持ちが何より大事だよ。
使う場面
- 「~ものともせず」は日常会話や文章で、困難や試練を恐れずに行動するときに使う。
- 職場で体調不良や障害を乗り越えて働く人の話でよく使われる。
- 励ましや称賛の意味合いで、友人や同僚を褒める時に使う。
- ニュースやインタビューで挑戦する人の強い意志を表現する時にも聞ける。