「なり」の用法解説と教え方|JLPT N2 文法

「なり」の用法解説と教え方|JLPT N2 文法

JLPT N2で出題される「なり」は、複数の選択肢を提示するときに使う表現です。ベトナム人やインドネシア人の実習生・技能実習生に教える際、似た語(とか、やら、だの)との混同がよく見られます。今回は誤用例も交えながら、実際の会話での使い方を丁寧に解説します。

問題

バス _ でんしゃ _、すきな ほうで いって ください。

問題:文「バス _ でんしゃ _、すきな ほうで いって ください。」の空欄に入る正しい助詞は何か。選択肢の中から選ぶ。これは複数のものから自由に選べることを表すため、職場で交通手段や方法を伝える際に役立つ重要な文法です。

  1. とか
  2. なり
  3. やら
  4. だの

正解

正解は「なり」です。読み方は「なり」。意味は「〜や〜のように、どちらかを選択できる」。漢字は「成り」と書きますが、文法的な用法では仮名で表記されることが多いです。

なぜこの答え?

「なり」は名詞または動詞の辞書形に接続し、『どちらか一方またはそれに類するもの』という意味で用いられます。選択肢の中から自由に選ぶ、または複数並列して例示するニュアンスを持ちます。同じくリストアップを示す「とか」「やら」「だの」と比べると、
「とか」は例示や不特定の列挙に使い、
「やら」は不確実さや混乱を感じさせ、
「だの」は否定的または不満のニュアンスがあります。したがって「なり」は穏やかに選択肢を勧める表現として適切です。

他の選択肢が違う理由

  • とか(toka):例を挙げる時に多用される。例文:本とか雑誌とかを買いました。(ほんとかざっしとかをかいました。- 本や雑誌などを買いました。)
  • やら(yara):不確実な列挙や混乱を示唆。例文:雨やら風やらで大変だった。(あめやらかぜやらでたいへんだった。- 雨や風などで大変でした。)
  • だの(dano):不満や批判の列挙に用いられる。例文:彼は遅刻だの忘れ物だの問題ばかりだ。(かれはちこくだのわすれものだのもんだえばかりだ。- 彼はトラブルばかり起こす。)

例文

  1. バスなり電車なり、便利なほうで行きましょう。
    (ばすなりでんしゃなり、べんりなほうでいきましょう。)
    バスか電車のどちらか、便利な方を使いましょう。
  2. 昼ご飯はラーメンなりカレーなり、好きなものを食べてください。
    (ひるごはんはらーめんなりかれーなり、すきなものをたべてください。)
    昼食はラーメンやカレーなど、好きな物を選んでください。
  3. 仕事の後は飲み会なり映画なり、自由に楽しんでください。
    (しごとのあとはのみかいなりえいがなり、じゆうにたのしんでください。)
    仕事終わりは飲み会や映画など、お好きに過ごしてください。
  4. 掃除なり洗濯なり、やらなければいけないことがたくさんあります。
    (そうじなりせんたくなり、やらなければいけないことがたくさんあります。)
    掃除や洗濯など、やるべきことが多いです。

会話例

A: バスなり電車なり、好きなほうで行っていいですよ。 — バスか電車、どちらか好きなほうで行ってください。
B: そうですか。じゃあ、電車で行きます。 — そうですか、それでは電車で行きます。
A: 電車のほうが早いですからね。 — 電車は速いので便利ですよ。
B: はい、ありがとうございます。 — わかりました、ありがとうございます。
A: 気をつけてね。 — 行ってらっしゃい、お気をつけてください。

使う場面

  • 交通手段や道具など複数の選択肢を提示する際の表現として。
  • 飲食や活動の中から自由に選ぶことを勧める場合に用いる。
  • 職場の指示や案内状で複数オプションを提示するとき。
  • 日常会話で柔らかく複数の候補を示し、相手に選択を委ねるときの表現。
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