
日本語学習者にとって「~ようとする」は使い方が難しい文法の一つです。特に外国人技能実習生が直面しやすい誤用も多く、正しい理解が欠かせません。この記事では、「でかけようとしたとき」という例文を通して、適切な使い方と教え方のポイントを解説します。
問題
でかけ _ と したとき、でんわが なった。
問題:文「でかけ_としたとき、でんわがなった。」の空欄に入るべき語は何でしょうか。仕事中や日常会話で使いやすい表現を選ぶことが大切です。
- そう
- つもり
- よう
- ところ
正解
3. よう(you): 「~ようとする」は「~しようとする」と同じく、動作を始めようとする、あるいは意志や意図を表す表現です。辞書的には「~しようとする」が正確な形です。
なぜこの答え?
「~ようとする」は動詞の意向形に続いて、その動作をする直前の意志や試みを表す文型です。例えば「でかけようとしたとき」は「出かけるために動き始めようとした瞬間」という意味になります。ベトナム語やインドネシア語にはあまり直接対応する表現がなく、誤って「そう」や「つもり」と混同されることが多いです。教師は動作のタイミングや意志のニュアンスを丁寧に説明し、日本人の自然な会話例を示すことがポイントです。また、「よう」は漢字で「様」と書けますが、文法的な意味ではひらがなで書かれるのが一般的です。
他の選択肢が違う理由
- 1. そう(sou):「~そう」は「~らしい」「~のようだ」という推量や様子の表現。「雨が降りそうです」(あめがふりそうです)=雨が降るかもしれない。例: 雨が降りそうなので傘を持っていきます。(雨がふりそうなのでかさをもっていきます)天気予報でよく使います。
- 2. つもり(tsumori):自分の意図や計画を表す。「明日行くつもりです」は「明日行く計画がある」。例: 休みの日に旅行するつもりです。(やすみのひにりょこうするつもりです)計画表現で使います。
- 4. ところ(tokoro):動作の直前、中、直後を示す。例: 食べるところです。(たべるところです)今食べ始めるところ。実際の動作のタイミングを言いたいときに用います。
例文
- 仕事へ行こうとしたとき、電話がかかってきた。(しごとへいこうとしたとき、でんわがかかってきた)私が仕事に向かおうとした瞬間、電話が鳴った。
- 寝ようとした時に隣の部屋から大きな音が聞こえた。(ねようとしたときにとなりのへやからおおきなおとがきこえた)寝る直前に隣の部屋がうるさかった。
- 駅のホームで電車に乗ろうとしたら、ドアが閉まってしまった。(えきのホームででんしゃにのろうとしたら、ドアがしまってしまった)乗ろうとしたが間に合わなかった。
- 外に出ようとしたとき、突然雨が降ってきた。(そとにでようとしたとき、とつぜんあめがふってきた)出かける予定だったが、雨が降ってきた。
会話例
A: でかけようとしたとき、電話が鳴ったよ。 — 出かけようとしたとき、電話が鳴ったよ。
B: そうなんだ。大事な電話だった? — そうなんだ。だいじな電話だった?
A: うん、仕事のことで、すぐ出ないといけなかった。 — うん、しごとのことで、すぐでないといけなかった。
B: 電話が鳴ってよかったね。 — 電話が鳴ってよかったね。
使う場面
- 職場で作業を始めようとする瞬間の状況説明に使う。
- 日常会話で「~しようとしたとき」によく用いて、予期しない出来事の報告に役立つ。
- 日本語の意向形+「とする」の組み合わせは、行動の意志や試みを自然に表す重要な構文。
- 外国人には「つもり」「そう」など混同しやすい表現を区別できるよう重点的に指導する必要がある。