
JLPT N1の文法表現『にもまして』は、レベルが高いだけでなく、似た表現との違いで学習者が混乱しやすい文法項目です。特にベトナム人やインドネシア人の実習生にとっては、他の比較表現と混同する傾向があります。ここでは、意味・用法の詳細、間違いやすいポイント、教え方のヒントを解説します。
問題
いぜん _、けんこうに きを つかう ように なった。
問題:「いぜん _、けんこうに きを つかう ように なった。」の空欄に入る最適な表現はどれでしょうか?この文は、以前と比べて健康への注意がより一層強まったことを表しています。
- にして
- にあって
- にひきかえ
- にもまして
正解
正解はにもまして(nimo mashite)です。意味は「以前よりもさらに」「それ以上に」という強調を含む比較表現で、漢字は使わず仮名書きが一般的です。
なぜこの答え?
『にもまして』は、ある状態や程度が以前よりも強まったり、重要になったことを強調する表現です。たとえば「健康に気をつかうようになった」ことを、以前よりさらに強調したい場合に使います。似た表現の『にひきかえ』は対照的な比較を示し、『にあって』は状況や環境を示すため文脈が異なります。『にして』は時間やようやくの意味で使われ、混同しやすいですが全く違う用法です。
他の選択肢が違う理由
- にして(ni shite)=「〜して初めて」や「〜のわりには」のような逆説または基準を示す表現。例:ここにいるのは私にして初めてです。(ここにいるのはわたしにしてはじめてです。)ここにいるのは私が初めてです。
- にあって(ni atte)=特定の状況や環境の中で何かが起こっていることを示す。例:この時代にあって技術は進歩している。(このじだいにあってぎじゅつはしんぽしている。)この時代において技術は進歩している。
- にひきかえ(ni hikikae)=対照的に、反対にという意味の比較。例:弟にひきかえ、兄は真面目だ。(おとうとにひきかえ、あにはまじめだ。)弟とは違い、兄は真面目だ。
例文
- 最近は以前にもまして忙しくなった。
(さいきんはいぜんにもましていそがしくなった。)
最近忙しくなって、以前よりもさらに忙しい。 - 彼女は病気の後にもまして元気になった。
(かのじょはびょうきのあとにもましてげんきになった。)
病気の後よりももっと元気になった。 - 日本では健康志向の人が以前にもまして増えている。
(にほんではけんこうしこうのひとがいぜんにもましてふえている。)
以前よりさらに健康に気をつかう人が増えている。 - 冬は夏にもまして寒い日が続く。
(ふゆはなつにもましてさむいひがつづく。)
冬は夏よりももっと寒い日が続く。
会話例
A: 最近、健康に気をつかっていますか? — 最近、健康に気をつかっていますか?
B: はい、以前にもまして運動をしています。 — はい、いぜんにもましてうんどうをしています。
A: そうですか。それはいいですね。 — そうですか。それはいいですね。
B: これからも健康に気をつけたいです。 — これからもけんこうにきをつけたいです。
使う場面
- 健康志向や生活習慣の変化を話すときに使われる。
- ニュースや報告で、ある事柄が以前より強調されていることを伝えたい場合。
- 職場で仕事の様子や態度、パフォーマンスが以前よりも良くなったことを説明する時。