
『をめぐって』は、物事の周辺で議論や争いがある場合によく使われる表現ですが、日本語学習者には少し分かりづらい部分があります。特に、ベトナム人とインドネシア人実習生は類似表現との使い分けに悩むことが多いです。この記事では、正しい用法や教え方のコツを詳しく解説します。
問題
いさんの はいぶん _ て、もめた。
問題:いさんのはいぶん_て、もめた。
相続や権利などの争いごとを表す際に使われる表現として、正しい言葉を選びましょう。
- をめぐっ
- をもとに
- をつうじ
- をこめ
正解
正解:をめぐっ
読み:をめぐって(助詞句)
意味:何かを中心に、争い・議論などが起こっている状態を示す。
なぜこの答え?
『をめぐって』のもとになる動詞『巡る(めぐる)』は「めぐり巡る」の意味ですが、助詞『を』+『めぐって』で『~をめぐって』という形になり、何かの周囲で争いや議論、問題があることを表します。たとえば『遺産をめぐってもめた』は「遺産のことで争った」という意味になるため、紛争や意見対立の場面で使われます。
ベトナム人学習者には『をもとに』『をこめて』などの類似表現と混同するケースがよくあります。『をめぐって』は”争い”や”議論”の文脈が多いことを強調して教えると理解しやすいです。また、JLPT N2レベルの表現としてニュースや新聞、職場の話題で多用されます。
他の選択肢が違う理由
- をもとに(wo moto ni)- ~を基にして、根拠にして。例:この資料をもとに報告書を書きます。(このしりょうをもとにほうこくしょをかきます)
- をつうじ(wo tsuuji)- ~を通じて、何かの手段を使う。例:インターネットを通じて情報を集めた。(いんたーねっとをつうじてじょうほうをあつめた)
- をこめ(wo kome)- 感情や思いを込める。例:感謝の気持ちをこめて手紙を書いた。(かんしゃのきもちをこめててがみをかいた)
例文
- 話し合いは環境問題をめぐって行われた。(はなしあいはかんきょうもんだいをめぐっておこなわれた) The discussion was held regarding environmental issues.
- 会社の将来をめぐって会議が続いている。(かいしゃのしょうらいをめぐってかいぎがつづいている) Meetings continue around the future of the company.
- 遺産をめぐって兄弟が争った。(いさんをめぐってきょうだいがあらそった) Siblings fought over the inheritance.
- 政治改革をめぐる意見が分かれている。(せいじかいかくをめぐるいけんがわかれている) Opinions are divided regarding political reforms.
会話例
A: いさんのはいぶんをめぐって家族がもめているそうだね。 — 家族が相続のことで争っているようだね。
B: うん。お互いに納得できないところがあるみたい。 — 皆が納得できていないようだ。
A: そういう問題はよくあるよね。 — そうした問題はよく起きるよね。
B: はい、慎重に話し合わないと。 — 注意深く話し合う必要があるね。
使う場面
- ニュースや新聞で、争いや議論を表現するときに使われる。
- 職場の会議や話し合いで、問題の焦点を示す際に使われる。
- 家族や友人間のトラブルや争いごとを説明するときによく出てくる。