
JLPT N2の文法問題で、「〜をはじめ」は頻出表現のひとつです。ベトナム人やインドネシア人の学習者は似た表現と混同しがちで、使い方の説明に工夫が必要です。この記事ではポイントや指導上の注意点をまとめました。
問題
しゃちょう _、しゃいん ぜんいんが さんかした。
問題:「しゃちょう _、しゃいん ぜんいんが さんかした。」空欄に入る適切な語句はどれか。この文は「あるグループの代表的な人物を挙げた上で、全体を含めて言う」表現を問うています。
- をめぐっ
- をこめ
- をはじめ
- をとわず
正解
正解は「3. をはじめ」です。「〜をはじめ」は「代表例を挙げて、それから他を含める」という意味の接続表現です。読みは「をはじめ」、漢字は「を始め」です。
なぜこの答え?
「〜をはじめ」は「代表となる人・物を先に示し、その後に所属する全体や多くのものを含む」用法で使われます。例文の「社長をはじめ、社員全員が参加した」は、「社長」という代表例を出して、それに続いて社員全員が加わることを示しています。漢字の「始め」は「はじめる(始める)」の名詞形で、始まりを強調するイメージがあります。まぎらわしい他の表現との違いを明確にすることが学習指導で重要です。
他の選択肢が違う理由
- 1. をめぐっ(を巡って):「〜をめぐって」は「~に関して」「〜の周りで議論・問題がある」という意味です。例文:「事件をめぐって話し合った。」(じけんをめぐってはなしあった)事件について話し合った。
- 2. をこめ(を込めて):「〜を込めて」は「気持ちや想いを十分に入れて」という意味。例文:「感謝の気持ちを込めて贈り物をした。」(かんしゃのきもちをこめておくりものをした)感謝して贈り物をした。
- 4. をとわず(を問わず):「〜を問わず」は「差別せず」「〜に関係なく」という意味。例文:「年齢を問わず応募できます。」(ねんれいをとわずおうぼできます)年齢に関係なく応募できる。
例文
- 社長をはじめ、社員全員がミーティングに出席しました。(しゃちょうをはじめ、しゃいんぜんいんがミーティングにしゅっせきしました)代表例の社長から始めて、社員全員が参加した。
- 日本をはじめ、多くの国で地震が起きています。(にほんをはじめ、おおくのくにでじしんがおきています)日本という代表例を挙げて、多くの国で地震が起きていることを示す。
- 病院では、医師をはじめ看護師も忙しく働いています。(びょういんでは、いしをはじめかんごしもいそがしくはたらいています)医師という主要な職員から、看護師も含めて忙しく働いていること。
- イベントには子供をはじめ、大人もたくさん参加しました。(イベントにはこどもをはじめ、おとなもたくさんさんかしました)子供という代表例から、大人も多く参加した。
会話例
A: 社長をはじめ、みんなで花見に行くそうです。 — 社長を始め、皆でお花見に行くそうです。
B: そうですか。私も参加したいです。 — そうですか、私も参加したいです。
A: 社長をはじめ、社員のみんなと一緒に楽しみましょう。 — 社長を始め、社員の皆と一緒に楽しみましょう。
B: ありがとうございます。明日が楽しみです。 — ありがとうございます。明日が楽しみです。
使う場面
- 会社や職場で代表的な人や役割を示してから、全体を説明するとき。
- 報告やプレゼンテーションで重要人物・事例を先に挙げるとき。
- 日常会話で「〜をはじめ」を使い、強調や話の広がりを表現するとき。
- 書き言葉・話し言葉の両方で使え、多くの場面で便利な表現。