
「に際し」はJLPT N2レベルの文法で、フォーマルな文書や仕事の場面でよく使われます。ベトナム人やインドネシア人の学習者は「に対して」「にかけ」「に加え」と混同しやすいので、教える際には用法の違いをしっかり説明する必要があります。ここでは誤解されやすいポイントを整理し、効果的な指導法を紹介します。
問題
けいやく _ て、ちゅういが ひつようだ。
文例:「契約_て、注意が必要だ。」に入る正しい語句はどれか?契約やビジネスシーンで重要な文なので正確に使うことが大切です。
- にそっ
- にさいし
- にかけ
- にくわえ
正解
正解は「に際し(にさいし)」です。「に際して」は「~の直前やその機会に際して、何かをする」といったフォーマルな時間的・状況的範囲を示します。
なぜこの答え?
「に際し」は漢字の「際」が「時」「場合」を意味し、主に文書や改まった場面で使われます。学習者は「にそく(即)」「にかけ(掛け)」「に加え」など音が似たり意味の近い語と混同しやすいです。違いは「に際し」が『ある重要な時・場面に際して』で時間や機会を示すのに対し、「に即し」は「状況に即して=状況に合わせて」「にかけ」は「努力にかける=依存や賭け」、「に加え」は「それに加えて=追加」を意味します。職場や契約の説明では「に際し」を使うと丁寧で適切です。
他の選択肢が違う理由
- にそく(に即)-「~に即して」は『~の状況、条件に合って』の意味。例:法令に即した対応が必要です。(ほうれい に そくした たいおう が ひつよう です。)法令に合った対応が必要です。
- にかけ(に掛け)-『努力にかける』は『~に望みをかける』という意味。例:成功にかけてがんばった。(せいこう に かけて がんばった。)成功を信じて頑張った。
- にくわえ(に加え)-『Aに加えB』は『AにBを含めて』の意味。例:雨に加え風も強いです。(あめ に くわえ かぜ も つよい です。)雨だけでなく風も強いです。
例文
- 契約に際し、内容を十分に確認してください。 (けいやく に さいし、ないよう を じゅうぶん に かくにん してください。) 契約の時には内容をしっかり確認することが必要です。
- 入社に際して健康診断を受けます。 (にゅうしゃ に さいして けんこう しんだん を うけます。) 入社するときに健康診断を受けます。
- 出発に際し、荷物をもう一度チェックした。 (しゅっぱつ に さいし、にもつ を もう いちど チェック した。) 出発するときに荷物を再確認しました。
- 試合に際し、緊張してしまった。 (しあい に さいし、きんちょう して しまった。) 試合のとき、緊張しました。
会話例
A: 新しい契約に際して、注意すべき点は何ですか? — 新しい契約の時に注意しなければならない点は何ですか?
B: 契約内容をよく確認することが大切です。 — 契約内容をしっかり確認してください。
A: 書類の提出期限はいつですか? — 書類はいつまでに提出すればいいですか?
B: 来週の金曜日までに提出してください。 — 来週の金曜日までに提出してください。
A: わかりました。ありがとうございます。 — 理解しました。ありがとうございます。
B: どういたしまして。 — どういたしまして。
使う場面
- 契約書や公式文書、ビジネスメールなどの改まった文章で使われる。
- 研修や会議で「何か重要な時点に際して」という意味の説明や注意喚起に用いられる。
- 報告書作成時や職場での指示の際に「この機会に」など時間的意味を強調する。
- 一般の会話よりは書き言葉やフォーマルな場面で好まれる。