
外国人学習者がといってもを学ぶとき、似た表現との違いや用法に悩むことが多いです。特にベトナム語・インドネシア語話者はといえばやとなるとと混同しやすい傾向があります。ここではN2レベルの『せんもんか_、まちがえることはある』の問題を題材に、正しい使い方と解説をします。
問題
せんもんか _、まちがえる ことは ある。
問題文『せんもんか _、まちがえることはある』に入る正しい表現はどれか。専門家にも間違いがあることを伝えたい場面で適切な接続表現を選ぶ必要があります。
- とすれば
- といえば
- となると
- といっても
正解
といっても(言っても)は、「〜と言うけれども」「〜だけれども」という譲歩の意味を持つ表現で、正解です。漢字は「言う」のて形に「も」がついた形です。専門家でも間違いがあることを認める柔らかい表現です。
なぜこの答え?
「といっても」は、前に述べた事柄について一定の認めながらも、それに反する事実やそれほどではないニュアンスを添えたい時に使います。例えば「専門家と言っても間違えることはある」と言う場合、専門家であるという事実は認めつつも、完璧ではないことを示しています。
ベトナム語話者やインドネシア語話者は、「といえば」や「となると」と混同することが多いですが、「といえば」は話題を提示する表現、「となると」は状況の発生を示す表現であり、「といっても」とは意味と用法が異なります。
教える際には「言う」と「言っても」の違いを丁寧に説明し、譲歩のニュアンスを体感できる例文練習を重ねると理解しやすくなります。
他の選択肢が違う理由
- とすれば(とすれば)=「もし〜ならば」の意味。例:明日雨が降るとすれば、工場は休みです。(あしたあめがふるとすれば、こうじょうはやすみです。)明日もし雨が降れば、工場は休みです。
- といえば(といえば)=話題を提示。例:日本の名物といえば寿司です。(にほんのめいぶつといえばすしです。)日本の有名な食べ物は寿司です。
- となると(となると)=状況や条件が成立した場合。例:試験となると緊張する。(しけんとなるときんちょうする。)試験が始まると緊張する。
例文
- 専門家と言っても、間違えることはある。
(せんもんかといっても、まちがえることはある。)
専門家だと言っても、完璧ではない。 - 彼は学生と言っても社会人並みの知識がある。
(かれはがくせいといってもしゃかいじんなみのちしきがある。)
学生だと言ってもかなり知識が豊富だ。 - 今日は曇っていると言っても、雨は降らないだろう。
(きょうはくもっているといっても、あめはふらないだろう。)
曇りだと言っても雨は降らない見込みだ。 - 日本語が話せると言っても、上手ではない。
(にほんごがはなせるといっても、じょうずではない。)
話せると言ってもまだ練習が必要だ。
会話例
A:専門家といっても間違えることはあるね。
(せんもんかといってもまちがえることはあるね。)
A:専門家だと言ってもミスをすることがあるね。
B:そうだね、誰にでも間違いはあるよ。
(そうだね、だれにでもまちがいはあるよ。)
B:うん、完璧な人はいないよ。
A:自分も間違えても恐れることないね。
(じぶんもしあやまってもおそれることないね。)
A:自分も失敗を恐れなくていいんだね。
B:その気持ちが大切だよ。
(そのきもちがたいせつだよ。)
B:その気持ちを持つのは大事だよ。
使う場面
- 職場で自分の専門性を話すとき、完璧でないことをやわらかく伝える表現として使う。
- 同僚が自己評価するとき、謙遜を示すために用いる。
- 会議やプレゼンテーションで譲歩を示し、相手に理解を求める場面。
- 日常会話や報告書でも、事実を認めつつ控えめに伝えるためによく使われる。