「こと」の使い方解説 JLPT N2レベル問題解説

「こと」の使い方解説 JLPT N2レベル問題解説

ベトナム人やインドネシア人の学習者が本問題で悩むのは、「こと」と他の似た単語(わけ、ところ、もの)の違いです。特に、抽象的な事柄や出来事を表す際の正しい使い分けが難しいため、しっかりと指導する必要があります。この記事では、誤用しやすいポイントと、学習者に受け入れやすい説明法を紹介します。

問題

おどろいた _ に、かれが ゆうしょうした。

「おどろいた_に、かれがゆうしょうした。」の空欄に適する語は何か。文脈や意味からなぜそれが正解か説明できるか。学習者に指導するとき、この違いをどう伝えるか。

  1. わけ
  2. ところ
  3. こと
  4. もの

正解

3. こと(事) = 物事や出来事を表す抽象名詞

なぜこの答え?

“こと”は、出来事や状態を名詞化し、具体的ではない抽象的なことを指します。この文の「おどろいたことに」は「驚いた」という感情や反応を伴う出来事を示し、文章全体の意味は「驚いた事実として、彼が優勝した」ということになります。ほかの選択肢はそれぞれ別の意味を持ち、「わけ」は理由、「ところ」は時間や場所、「もの」は物や人、あるいは感情的な理由であり、この文脈では適さないため誤りです。

他の選択肢が違う理由

  • わけ(訳)= 理由。例:休んだわけを聞かせてください。(なぜ休んだのかを教えてほしい)
  • ところ(所)= 場所または時間。例:今、食事をしているところです。(まさにその瞬間)
  • もの(者・物)= 物や人、感情的な理由。例:疲れたものだから、早く帰りました。(感情的な理由を説明)

例文

  1. 合格したことをみんなに知らせました。(ごうかくしたことをみんなにしらせました。)合格したという事実をみんなに伝えました。
  2. 事故が起こったことに驚きました。(じこがおこったことにおどろきました。)事故が起きたという事実に驚いた。
  3. 約束を忘れたことを謝りました。(やくそくをわすれたことをあやまりました。)約束を忘れてしまった事実について謝罪した。
  4. 新しいプロジェクトが始まったことを知っていますか。(あたらしいプロジェクトがはじまったことをしっていますか。)新規のプロジェクト開始という情報を知っていますか。

会話例

A: おどろいたことに、田中さんが昇進したよ。
(おどろいたことに、たなかさんがしょうしんしたよ。)
驚いたことに、田中さんが昇進しましたよ。
B: 本当ですか?知りませんでした。
(ほんとうですか?しりませんでした。)
本当ですか?知りませんでした。
A: 彼はよく頑張ったからね。
(かれはよくがんばったからね。)
彼はよく努力したからですね。
B: そうですね。素晴らしいです。
(そうですね。すばらしいです。)
そうですね。素晴らしいことです。

使う場面

  • 出来事や状態を名詞化して話すときに使う(例:問題になったこと、失敗したこと)。
  • 驚きや感嘆を表す表現で用いられる(おどろいたことになど)。
  • 報告や説明の場面で事実を述べるときに頻出する。
  • 仕事の連絡や報告書、公的文章にもよく使われる。
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