
本記事では、JLPT N4レベルで学習する文法「ては」について解説します。ベトナム人、インドネシア人実習生がよく間違える部分を踏まえつつ、指導者向けに理解しやすい説明を紹介します。実務でよく出る表現を例に取り、教えやすいポイントをまとめました。
問題
ここに ごみを すて _ いけません。
例文「ここに ごみを すて _ いけません」の空欄に入る正しい助詞はどれか?なぜこの表現が実習生にとって重要かを説明します。
- ても
- たり
- ては
- たら
正解
正解は「ては」です。これは動詞のて形+助詞「は」で、禁止を表す表現です。「すてては(捨てては)」が使われ、「~してはいけません」と「~してはだめです」など禁止文を作ります。
なぜこの答え?
「ては」は動詞のて形に「は」が付くことで、「~したら(もし~するなら)それは良くない」という意味を持ちます。ここでの「いけません」が禁止の意味を強調しています。初歩の学習者は「ても」「たり」「たら」などの似た形と混同しやすいですが、「ても」は逆接「~でも」(たとえ~しても)、「たり」は列挙、「たら」は条件文です。ベトナム人・インドネシア人学習者は「ては」の禁止の感覚がわかりにくいこともあります。指導するときは、「してはいけません」は「禁止」を表す定型表現だと明確に示すのが効果的です。また、日常や職場の注意書きに頻出するため、実用的であることも強調しましょう。
他の選択肢が違う理由
- ても(ても):「たとえ~しても」という意味。例文:雨が降っても行きます。(あめがふってもいきます)雨が降っても出勤します。
- たり(たり):動作の並立や例示を表す。例文:週末は映画を見たり、本を読んだりします。(しゅうまつはえいがをみたり、ほんをよんだりします)週末の予定をいくつか挙げている。
- たら(たら):条件を示す。例文:雨が降ったら、出かけません。(あめがふったら、でかけません)もし雨が降れば外出しない。
例文
- ここにたばこの吸いがらを捨ててはだめです。(ここにたばこのすいがらをすててはだめです)工場の敷地内での喫煙禁止の掲示。
- 危険物を素手で触ってはいけません。(きけんぶつをすででさわってはいけません)安全指導の際に注意される文。
- この機械を動かしてはいけません。(このきかいをうごかしてはいけません)作業前点検で作業員に伝える。
- 授業中に携帯電話を使ってはいけません。(じゅぎょうちゅうにけいたいでんわをつかってはいけません)学校のルール。
会話例
A: ここにごみを捨ててもいいですか? — ここにごみをすててもいいですか?
実習生A: 我可以把垃圾丢在这里吗?
B: いいえ、ここにごみを捨ててはだめです。 — いいえ、ここにごみをすててはだめです。
実習生B: 这里不可以丢垃圾。
A: では、どこに捨てたらいいでしょうか? — では、どこにすてたらいいでしょうか?
実習生A: 那我应该丢在哪里呢?
B: あのゴミ箱に捨ててください。 — あのゴミばこにすててください。
実習生B: 请把垃圾丢到那个垃圾桶。
A: わかりました。ありがとうございます。 — わかりました。ありがとうございます。
実習生A: 我明白了,谢谢你。
B: どういたしまして。 — どういたしまして。
実習生B: 不客气。
使う場面
- 工場や事務所の安全ルール・禁止事項の掲示に頻繁に使われる。
- 教育現場で禁止事項を伝える際に教師が使う例文。
- 職場で上司や先輩が作業中に注意する時、「ては いけません」を用いる。
- 日本語初級学習者に文法的に禁止文を教える基本表現として活用。